大判例

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金沢簡易裁判所 事件番号不詳 決定

主文

本件請求はこれを棄却する。

理由

検察官検事野崎賢造の意見要旨は、請求人勘田政一を昭和二十八年十一月三十日起訴した覚せい剤取締法違反被告事件につき、逮捕勾留したことはない。但し、同罪で、昭和二十九年二月五日逮捕同月七日勾留したことはあるが、その勾留の被疑事実は前記被告事件公訴事実中に包含されていないから、補償の請求は理由なく、棄却相当と思料すると謂うに在り、請求代理人弁護士正岡正延の意見要旨は、勾留状記載の被疑事実は、不起訴になつているが、右勾留状によつて、勾留されている間に、その勾留を不法に利用し、それに便乗して捜査取調をした事実が、右記載の内容をなしているのであつて、それは、右刑事事件の一件記録によつて明白である。刑事補償は、勾留中取調べた事実が無罪となつた場合を律するものであつて、勾留状に記載された事実のみによつて判断すべきでない、と謂うに在る。

仍つて案ずるに、当裁判所が審理判決した昭和二十八年(ろ)第一二六号覚せい剤取締法違反被告事件につき、併合罪中の一部につき無罪、他の一部につき有罪の裁判があつたのであるから、補償の一部又は全部をする、しないかは、当裁判所の裁量によるものであり、覚せい剤取締法違反被告事件の重大性に鑑み本件につき、請求人の請求を棄却するを相当と認め、主文の通り決定し、検察官並に請求代理人の意見については特に判断をしない。(昭和二九年一二月二七日金沢簡易裁判所)

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